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「わらう」


もし、弾いている途中に楽譜に

 

「わらう」

 

という注意書きに遭遇したら、皆さんどうされますか?

 

私たちにとって楽譜というのは、表現する上での礎であり、ある意味全てでもあります。丁度、役者さんにとっての台本と同じようなものだと思います。ただ、役者さんは本番では暗記が原則かと思いますが、オーケストラや室内楽では、独奏など一部を除いて、本番でも譜面を使って演奏します。
つまり、私たちにとって譜面は常に欠かせない拠り所となっています。

この譜面、とくに弦楽器奏者のものは、たいてい鉛筆の書き込みで真っ黒になります。弓をどう動かすのかをほとんどすべて書き加えないといけないし、気がついた注意事項や他の楽器のアクションなども、演奏者がメモとして鉛筆であれこれ追記していくからです。

さて、実際の練習や本番では、1つのパートに複数以上のメンバーがいる場合には、2人一組になって、ひとつの譜面を共有します。練習でメモを追記するのは、2人のうちどちらが行ってもかまわないのですが、なんとなくどちらかが中心となって(多くの場合は左手に座る人が)せっせと書き込むようになります。

そんなある日、とある先輩の横になって楽譜を眺めていたら、前述の「わらう」の文字が

出てきたんです。

私: 「せ、先輩。これって、、あのどうすれば?
    (笑顔で弾こうって意味かしら? でもこれ 『死』 がテーマの曲なんスけど) 」

先輩:「 書いてある通りをここでするんだよ。

      今休憩中だし、ちょっと一緒にやってみよう」

私: 「 え、は、はい・・・。  ( げげ、まじっすか) 」

 

 


… よくよく確認しますと、ご本人が 「」 のつもりで書いた文字が、隣の私には 「」 に見えた、というだけの話だったんですが。
この先輩、独自の象形文字を粛々と楽譜に刻まれるので、私はたびたびカオスな世界を味わっておりました。

 

と書いてまいりましたが、かくいう私も、人のことは申せませぬ。
私は典型的な金釘文字なので、アンサンブルVPOでは、書き込んだ後隣の I さんを「・・・?」と、何度沈黙させてしまったことか…。

楽譜は大切なんだから、丁寧に書かないと、というオハナシでした。

                                                                                                                            2014年8月  租狸庵山人

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